蜷川幸雄「あゝ荒野は、チケットが争奪戦になり、それは一種の社会現象である。僕自身、大衆の欲望に洗われたスターと仕事するのは、意味があると思っていたし、当然彼ら(松本小出)には魅力があるからね。2人はとにかく熱心だった。幕が開いてからも本当に良かった。松本は、もっとダメ出しして下さい。と、意思表示がはっきりしている。それでいて謙虚でナイーブだからその人間性に誰もが惚れる。小出は小出で、俺を放っておくなとやっぱり欲望に忠実で。2人ともうるさかった(笑)だからこっちも身を入れなきゃと、なるよね。」(2011年雑誌ルクスタオーベーションより)
蜷川幸雄「大勢の人々の欲望をシャワーのようにあびて育ったスターというのは不思議なもので、松本くんも小出くんも誠実で必死で、やはり選ばれた人の美しさをもっていた。彼らの努力と才能が、この国にもいるスター嫌いの一部の人々を置き去りにして疾走してくれることをぼくは心から願っています」
蜷川実花「昨日父の舞台、ああ荒野みてきました!松潤すごいわ。やっぱりみんなの欲望を一身にうけているスターは違う。背負ってるものが半端ないです。芝居ももちろんうまかったけど、なによりも圧倒的でした。ひとり発光しているよう。あの説得力のある立ち姿にひれ伏しました!松潤!あんた凄いよ(>人<;)」(本人ツイより)
【アイドルを起用する理由】
蜷川「劇評なんかでも、なんでアイドル使うんだって書かれることがあるんですけど、アイドルは、ただアイドルでいるんじゃなくて、観客の欲望を具現化してるところがあるんだから、使うの当然でしょ。って僕は言ってるんですけど。もう彼らはものすごく努力してるわけですね。で、睡眠時間何時間?って言うと、二時間かなぁなんて言いながら一緒に仕事してると、そういう人の方がよく勉強してるんですよね。売れない中途半端な俳優よりは。一生懸命やってる人がただ売れるわけではなくて、なんかない限り絶対売れないですね」(2013年)
蜷川さんがよく言う言葉
「売れてる奴は怖いよ」
「松潤とかを見て、「売れてるっていうのはね、恐ろしいよ。ああ、やっぱなぁ。。面がいいだけじゃね~んだな。やっぱココ(心)があるから売れてんだなぁって」